池の平(遠州七不思議~幻の池~)

標高880m亀の甲山の中腹に「池の平」と呼ばれる窪地がある。

この窪地は、普段は一滴の水もない杉木立の平坦な場所であるが、7年に一度こつ然と水が湧き出て満々と水を湛えた周囲が約200m、水深が2~3mもの池ができるという不思議な現象の起こる場所です。この幻の池は「池の平」と呼ばれています。

 

「池の平」に突然、池が出来るのは御前崎市佐倉にある「桜ケ池」に棲んでいると言われる「竜神」が、信州の諏訪湖に行く途中に休息ためだからとか、諏訪明神が休息する場所だからと伝えられている。そして「池の平」に池が出来る年は、なぜか日照り続きの夏に限られるといわれているのである。

 

昔から、この池の水は胃腸の病気の妙薬だといわれ、水が湧いて池が出来ると、この水を汲みに村中の人たちがお祭り騒ぎのように、賑やかに集まってきたという。そして1週間くらい経つと自然に水は引いて、池は跡形もなくなってしまい、せっかく村人たちが汲んできた水も同時に消えていってしまうと伝えられている。水窪の古老たちの話では、池が出現する際、大きな花火を打ち上げるような「ドーン」という音が聞こえたという。

 

 どうして満々と水を湛えた大きな池が、突然出現するのだろうか。標高からみて地下水が湧きあがるとは考えにくい。水窪の地層は古く硬く水が浸み込みにくい所が多い。降った雨はすぐに斜面を流れ落ちていってしまう。草の保水力が高まり、夏の雨水がジワジワと集まるだとか、地下に水みちがあって水が溜って池が出来るなどと言われているが、実際のところ出現の謎はわかっていない。

 

【過去の池出現】
* 1954年(昭和29年) * 1961年(昭和36年) * 1968年(昭和43年) * 1975年(昭和50年)8月26日 * 1982年(昭和57年)8月11日 * 1989年(平成元年)9月8日 * 1998年(平成10年)10月2日 - 7年の周期から外れ、前回の出現から9年が経過。 * 2010年(平成22年)7月20日 - 前回出現時より12年後に出現。1989年以前の出現記録を基準に考えた場合、2010年は7年周期で出現する年に当たります。

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